節電要請【社長Blog on木心通信Vol.152】

平尾工務店 代表取締役 平尾博之

3月21日に、「電力需給逼迫警報」が初めて出された。
経済産業省が、東京電力管内の1都8県に対して22日に管内の電力が極めて逼迫する恐れがあるとの予想で、一般家庭や企業に節電を呼び掛けたのです。

16日の東北地方の地震による被害は、想像以上に大きい様で、東北新幹線では車両の脱線事故の関係で、4月20日頃まで一部の区間で運休中であるし、東京電力管内の3ヶ所の火力発電所も停止したままの状態で、そこに気温の低下が重なり、電力需要が高まる心配がある事から、今回の発令になった様です。
現在の日本では「停電」という非常事態が、先進国の中でも突出して少なく、あるデータでは2001~2002年の間に一般家庭が停電した平均時間は、アメリカ73分、イギリス63分、フランス57分に対し、日本は僅か9分という状況です。

十数年前に中国に視察研修に行った時には、視察先の工場で「今日は午後に、停電があります」と言われ、「工事関係ですか?」と質問したところ「こちらでは『計画停電』が頻繁にあり、強制的な停電なのです」との説明に、参加者皆が一様に驚いた経験があります。
開発途上国では、老朽化した送電設備や発電量の問題があり、日中に数時間停電する事も当たり前の地域が有るようです。

一方、昨年から一挙に地球全体の課題となった「ゼロカーボン」での化石燃料による発電の計画的廃止も、これからの「停電」という問題と深刻に関わってきそうな事態が想像されます。
現実に、中国では最近の情報として、自国の電力供給のメインである火力発電所が、石炭不足や資源価格の高騰の影響で、操業短縮や停止した事で電力不足が発生。工場の操業が一時的に止まり、結果、製品の製造量が減少したために輸出できなくなり、世界の工場が減産に追い込まれる事態が発生しました。

災害による電力の一時的逼迫での「停電」と合わせ、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換という世界の大きな岐路に立つ現在社会は、あらゆる機器や情報伝達システムといった全てが電力なしでは機能しない構造になっている事態を実感させる機会を私たちに投げかけてくれました。
「節電要請」という、ショッキングな報道を通じて、『万が一』に備え、非常事態への想定を再度考えないといけないのかと、不安が頭を過りました。


SNSでも情報発信中!

  • 平尾工務店のfecebookページへ
  • 平尾工務店のinstagramページへ
  • 平尾工務店のpinterestページへ