【木心通信Vol.138】社長Blog

平尾工務店 代表取締役 平尾博之

現場調査

 トム・クルーズ主演で出世作となった「トップガン」の一場面だったと記憶しています。30年以上前の映画です。
「トップガン」は、米国海軍の戦闘機兵器学校の意味で、映画はそこで訓練を受ける戦闘機パイロットの物語でした。
最新鋭戦闘機のパイロットは、各種の過酷な訓練を受けて実戦配備に備えるのですが、その最終場面での訓練内容が、私には印象的で、今でも時折薄っすらと蘇ります。
その訓練は、夜間の敵との戦闘を想定したもので、操縦席の外周の透明窓全てを黒いシートで覆い、外部カメラの映像を映し出すモニターのみを頼りに、指揮官や僚機の音声とで飛行戦闘訓練をするものでした。外部が見えず計器だけが頼りの操縦では、鍛え抜かれたパイロットでも、時には平衡感覚を失い墜落し命を失う者も出たり、また、真っ暗な操縦席での緊張感や孤独感から、精神的にダメージをうけてリタイアする者が出たり、肉体的にも精神的にも過酷な訓練なんだと想像できました。
音声とモニターだけで外部のあらゆる環境を掌握して、冷静な精神状態を維持し瞬時に高度な判断を下す難しさを実感した記憶があります。

コロナ禍になり、お客様等との接触を避けるためにテレビ会議やズーム講演等が多くなってきました。モニター画面とスピーカーからの音声でのコミュニケーションです。
昔は、見積や設計の途中には、「現場を見ないと分からんぞ!」と先輩から指導され、現場調査に出かけていました。
最近では、「グーグルアース」等のアプリを使うと、事務所に居ながらにして現場の映像を掴む事も出来ます。
日本人の独特の文化である「忖度」や、「KY=空気を読む」といった全体感を読み・判断する事が、テレビ会議やグーグル映像で十分可能かというと、私には大きな疑問が残ります。

これから、3D(立体映像)や360度カメラの普及で、周りの状況把握は技術が進むでしょうが、「場」を「感じる」という「その場」から得られる情報は、まだまだ捨てがたい大きな価値を持っていると私は思います。

今日は、朝から高速を走って70Km離れた見積中の現場を見てきました。
貴重な空気感を得て、帰ってきました。

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