【木心通信Vol.149】社長Blog

株式会社平尾工務店 代表取締役 平尾博之

世界の穀物は、今

年末のニュース記事をみて驚きました。
世界の主要な穀物を、中国が半分以上「備蓄」しているとの日本経済新聞の報道記事です。
中国の食料在庫比率(世界中の在庫に占める割合)は、トウモロコシ(69%)、コメ(60%)、小麦(51%)、大豆(33%)等です。
中国の買い占めは、過去10年で大きく進んだそうで、中国の情報では、穀物輸入量が10年間で4.6倍になり昨年約10兆円の食品輸入額になった様です。
世界に占める人口が2割の中国が、いかに多くの食料を備蓄しているかの現状です。抱え込まれた穀物が、世界の穀物市場の高騰や、貧困国の飢餓拡大の原因になっているとの見方もあります。

食物以外にも、材料費や製品の価格が異常に高騰するものも多くなってきました。
昨年は、「ウッドショック」が流行語になるほど木材が注目されましたし、半導体が原因でキッチンや便器等の住宅資材も品薄になり、工事工期の遅れが全国的に広がりました。

最近では、各製品や素材メーカーからの価格値上げの案内文書が、次々と届いている状況です。
価格アップに関してはいろんな説明がありますが、最も信用できそうなのが「原油の値上げに起因する場合」と「コロナ禍で工場の稼働率が下がった為」というのがあります。

コロナや原油価格は理解できますが、なかなか説明できない便乗値上げや買い占めでの上昇は、納得できない要素です。
中国では自国農業の生産量が近年上がっておらず、飽食や贅沢品に志向が変化する国民の欲求を抑える事が、「国の安全保障」と位置付ける国策での買い占めのように言われています。
住宅建設に関わる商品の価格上昇や買い占めは、最後は「辛抱すれば済む」消費財ですが、こと食料に関しては、そういう訳にはいきません。食べることは「止められません」。
中国の穀物買い占めの報道は、そういう点で非常に危機感をもって受け止める内容です。
「食の安全保障」と「食料危機」は、意外と身近に差し迫った世界のテーマである様に思います。

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