トマトハウス オープン【木心通信Vol.139】

トマトハウススタッフ 谷口高史

アグリ事業第2弾 トマトハウス オープン

当社にとって、念願のトマト栽培がいよいよ初収穫の時期を迎えました。
この機会に、これまでのトマト事業の概要と現状をお伝えしたいと思います。

トマトハウス建設

トマトの生産を決意してからの会社の動きは早く、昨年の早春にはまだ雑木林や藪のような土地を切り拓き整地をし、そして昨年10月にハウスが完成しました。
近年の天候不順などにより、なかなか順調に進まない中、トマトの定植日程もあり、急ピッチの作業で苦労が絶えない現場だったと思いますが、関西でもあまり見ることのない巨大な栽培棟が出来上がりました。ハウス建設に携わって頂いた方々には、大変ご苦労頂き感謝しております。
 ハウスの大きさは1.7反(約1700㎡)です。正直、どのくらいの大きさか想像がつかないと思います。私自身、作業しながらこのくらいが1.7反なんだと漠然に思うくらいです。ハウス内の長さが約80m、横幅が約22mあり、6,200本トマトを植えています。
 1700㎡にもなると通常では2棟にして建てるのですが、建築業を生業にしている当社として、昨今の異常気象でも耐えうるものを建てなければという思いから、1棟建てで大変頑丈なものになっています。
 そして、自動制御システムが搭載されています。温度、湿度、潅水、二酸化炭素濃度など設定しておけば自動でその設定条件になるよう動いてくれます(暑いと窓が開き、寒いと加温機が動き、陽が強いと遮光カーテンが閉まり、湿度が低いとミストが出、時間がくれば潅水します)。 残念ながら、設定が多くまだ十分に使いこなせておらず、100%の力を発揮できていません。

栽培方法

「美味しいトマトをつくりたい」との思いで、高糖度のトマト生産を選択し、地域の農家さんと競合しない特殊な栽培方法を採用しました。
 通常、糖度を出す為に水を絞ったり気温の寒暖差をつけたりしてストレスをかけます。過度にストレスをかけて枯れたり病気になったりと難しいものですが、この農法は適度なストレスで、高糖度のトマトが安定的に長期に渡り生産できそうなのが魅力でした。
 簡単に説明しますと、まず、ほとんど土は使いません。そのためハウス内には白の防草シートを張って、その上にトマトを育てる培地枠を作ります。トマトの根っこと養液の間に特殊フィルムを敷き、根が養分をギリギリ吸収できる状態で栽培し、高糖度のトマトを作っています。

栽培品種

今期はフルティカというリコピンを豊富に含み、糖度も高い中玉トマトを植えています。
 来期はフルティカを軸に違う品種も挑戦してみようと検討しています。

受粉作業にマルハナミツバチ

 家庭菜園などでトマトを栽培されたことがある方なら、何もしなくても実が着くのではないかと思われるかもしれません。
私自身もそう思っていましたが、ストレスをかけ樹勢が細く弱いこと、ハウス内で風もあまり無く、虫もほとんどいない為、受粉作業をしないと実が着かず花が落ちてしまいます。そのためにマルハナミツバチを飛ばしています。
蜂蜜も作れるのかと当初は期待しましたが、トマトの花には蜜がありません。
なぜ、蜜が無くても花粉だけを集めに働いてくれるかというと幼虫のエサになるからです。働き蜂のエサはやはり蜜なので、砂糖水を作り与えています。
エサを与えていると愛着が沸いてきます。
懐きはしないですが、花粉を足に沢山付けて飛んでいる姿を愛おしく眺めています。

定植から収穫まで

通常ですと8月末頃、トマトの苗を定植して、11月中頃から6月末まで収穫し、7月から収穫し終わったトマトの株の撤去、ハウス内の消毒をし、1年間の作業が終わります。
お盆が明けた頃から次作の準備が始まります。
 夏場は暑くハウス内の作業が過酷なことと、寒暖差が無くなりトマトの糖度が上がらなくなる為、夏場には生産しない方法をとっています。
 今期に限り、ハウスが10月中頃に出来ましたので、それと同時に定植し、ようやく2月中頃から収穫でき始めました。
 最盛期には1日100㎏収穫できる予定です。

味は

 食べられた方は口を揃えて「甘い」との評価を頂いています。
まだ、最初の1段目なので、これからもっと美味しくなってくると思います。
そして早く皆様の手元にお届けできるようにしたいです。

今後の課題

ハウス内で環境は制御されていますが、病気や異常株など出てきます。
それを見落とさないよう観察は常に必要です。毎年状況が違いますので日々勉強だと思っています。
 また、農業全般の課題ですが、通年で仕事を作る難しさがあります。このトマトハウスでも、定植後から2か月間程作業が少なくなります。パートの方が中心で作業にあたっていますので、1年通してコンスタントに仕事ができるよう何をしようか、今から頭を悩ませています。
 自動制御で動いていますが、やはり良いものを生産しようと思うと経験や観察力などのマンパワーが必要不可欠です。
ここでずっと働きたいと思ってもらえる環境が、必然と美味しいトマトが出来る源泉ではないかと思っています。
 現状、スタッフは皆、ようやく育てたトマトが赤くなり、試食も出来て喜んでいますが、もうすぐ収穫に追われる日々が始まります。トマトを見るのも苦な時があるかもしれませんが、美味しく食べて頂いているであろう皆様の笑顔を想像し、頑張ってまいりたいと思います。
 「甘ほっぺ」の味わいをご期待下さい。

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