【木心通信Vol.132】社長Blog

平尾工務店 代表取締役 平尾博之

思いを伝える為に

大学を卒業し社会人のスタートは、建築会社の設計部でした。

私の周りは設計の専門家集団で、毎日頭上を行きかう言葉は、意味不明の専門用語が中心で、「いつかはこの会話に加わって、立派な設計士になりたい」という情熱で頑張っていました。

ところが、半年を経過した頃、建設業界の不況が深刻化し、会社もリストラが始まりました。設計に希望を持っていた私も、いよいよ現場監督への配置転換の命令が下りました。
結果的には、現場監督としての各種の経験が今の事業に役立っている事が多く、私にとってはその時の会社の判断に感謝しています。

現場監督として、最初に経験し一番大きな収穫だったのが、「人には目で話をする」事が人間関係を築く上ではとても重要である、という事でした。

初めて足を踏み入れた建設現場は、ちょっと怖そうな顔をした人や、肌着の袖口や肩に入れ墨が見える(今では無い事ですが)職人さんが居り、22歳の私にはちょっと近づき難い雰囲気を感じました。そんな「目をそむけた」私が、上司からの指示を職人さんに伝え、その様に動いてもらうのは容易ではありませんでした。
監督らしく、時には命令調に、時にはお願い調に話してみても、なかなか私の話に応えてくれず、すぐ上司の指示をもらいに行かれてしまいました。

なぜ、こうなるのかを真剣に考えた時、「確かに、職人さんはみんな私の目を見ようとしていた。」のに「私は、何か怖がるように目を背けた会話しかしていない」と、気が付きました。真剣に「相手に自分の思いを伝えたい」という情熱が無かったのではないかと・・。

翌日、意を決して職人さんと「目を見て会話」を試みました。
すると、私の話に自然にうなずいてくれる雰囲気が明らかに伝わってきました。「怖い」と思っていた職人さんは、実は「一緒に頑張ろうぜ!」という情熱があり、そういう思いの者にしか応えないのだと気づきました。

あれから40余年が経過しました。
今でも私にとっての「人との接し方」の原点になっています。

コロナ禍の影響で、世界中で「テレワーク」や「在宅勤務」が奨励され、画面越の会話が業務遂行の中心になろうとしています。

社会人一年生で原体験をした私にとっては、共感や評価することがし難い取り組みに感じます。 文化の異なる欧米では常識なのかもしれませんが、果たして日本の社会に適応できるかは、時間が結果を示してくれることでしょう。

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